【迷惑防止条例改正】それ、犯罪です! 痴漢・盗撮・つきまといってどんな行為?

みなさん、今日は関東甲信越で何が起きたか知っていますか?
観測史上初の関東甲信越で6月中の梅雨明けが発表されたのです!先週はずっとぐずついた天気だったにも関わらず、今週に入って毎日驚くのほどの暑さだとは感じていたものの、まさかこんなに早く梅雨明けするとは思ってもいませんでした。今日はそんな嬉しい梅雨明けの発表とともに、もう1つ大切な発表をご紹介したいと思います。

その大切な発表というのは、東京都で改正された迷惑防止条例がついに7月1日に施行されるということです!今回のMoly.jpはその改正される迷惑防止条例がどのような内容なのかを細かく、そして簡単に解説していきます!!

 

<東京都では、7月1日から改正された迷惑防止条例が施行されます>

東京都では、平成30年3月30日に迷惑防止条例の一部を改正する条例が公布されました。
そして、その公布から3ヶ月たつ7月1日についに施行されます。
参照URL:警視庁 迷惑防止条例

改正の目的は主に、これまでの迷惑防止条例ではカバーしきれていなかった迷惑行為のうち、この数年で被害が多くなってきたものも取り締まれるようにすることです。

しかし、迷惑防止条例って、実際にどのようなことが対象とされているのか、よくわかりませんよね。

具体的に何がアウトで何がセーフか把握しておくことも防犯につながりますので、概要を確認してみましょう。

 

<1.迷惑防止条例とは?>

そもそも、迷惑防止条例って何でしょう。

痴漢に対しても、つきまとい行為や盗撮に対しても、取り締まる法令になっているのは、この迷惑防止条例です。

実は「迷惑防止条例」という呼び方も、法令の中での位置づけも、意外と幅のあるものでした。

 

1-1.迷惑防止条例の由来

迷惑防止条例は全国の47の都道府県や、いくつかの市町村がそれぞれ個別に制定しています。

目的は共通していて、みんなにとって迷惑になる行為を防止して生活の平穏を守ろう、というものです。ただ、自治体ごとに制定しているので、条例名や細かい内容は微妙に異なっています。

東京都をはじめとして過半数の地自体では

「公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例」

という条例名になっていますが、神奈川県や京都府などではシンプルに

「神奈川県迷惑行為防止条例」「京都府迷惑行為防止条例」

となっています。

これらに加えて、追加の条例が制定されている場合もあります。千葉県や宮城県などでは

「ピンクビラ等の掲示、頒布、差入れ等の禁止等に関する条例」

が、福岡県や山口県などでは、

「押売等の防止に関する条例」が加わります。

これらの一連の条例をひとまとめにして、「迷惑防止条例」という略称で呼んでいるわけです。

全国の迷惑防止条例の最初のものは、1962年に東京で制定された「ぐれん隊防止条例」です。当時社会問題となっていた、ぐれん隊による粗暴行為の防止を目的としたものでした。

つまり、いわゆるガラの悪い人たちがガラの悪いことをしていたわけです。でも、暴力団の人たちでもなく、暴力をふるっているわけでもないので、当時の法令では取り締まることができませんでした。そこで、それまではグレーとされていた部分を規制できる条例をつくったのです。

その後、同様の条例が全国で制定されるようになり、取り締まりの対象が変化するなどして、現在の迷惑防止条例に至っています。

参照URL:警視庁 “東京都「公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例」”

 

1-2.迷惑防止条例の内容

なぜ迷惑防止条例は、自治体ごと、取り締まり対象ごとに、個別にばらばらとつくられているのでしょうか。それは、法律と条例の関係によります。

法令や法規と呼ばれる、社会のルールとなっている決まりは日本では、

憲法 > 法律 > 条令 > 規則

という順番で強さに違いがあります。左に行くほど力が強い決まりです。そして制定したり改正したりするのも、左に行くほど手続きが大変です。

本当は迷惑行為についても法律で規制したいのかもしれないのですが、制定に時間がかかり運用も硬直化しがちなので、社会の変化に対応しきれないことがあります。

そこで、比較的身軽に対応できる条例が活用されました。

そのため迷惑防止条例の内容は、押売やスカウトなど、その時々の社会問題が反映されることが多くなっています。

規制される内容は自治体ごとに異なる部分もありますが、主に以下のような迷惑行為が対象です。

・ダフ屋行為
・ピンクビラ配布行為
・押売行為
・悪臭行為
・痴漢行為
・つきまとい行為
・暴力行為
・盗撮行為
・のぞき行為
・客引き行為
・スカウト行為

 

1-3.痴漢の取り締まり範囲

迷惑防止条例が対象とする迷惑行為のうち、防犯面で現在最も重用されているのは、痴漢つきまとい盗撮です。

では、迷惑防止条例ではどのような行為が、痴漢、つきまとい、盗撮と定義されているのでしょう。

例えば東京都の迷惑防止条例では、痴漢は下記のように定義されています。

「公共の場所又は公共の乗物において、衣服その他の身に着ける物の上から又は直接に人の身体に触れること。」

服の上から他人の体に触ることが迷惑防止条例に加わったのは1990年代以降。つまり、それが犯罪とされたのはそのころからというわけです。

今でも駅には「痴漢は犯罪」と書かれたポスターが貼られています。そんなの当然だろうと思ってポスターを見ていましたが、意外と痴漢は犯罪だというのが常識ではない世代もいまだに多いのかもしれません。

痴漢は主に迷惑防止条例違反として取り締まられますが、さらに重大な痴漢行為、服の中に手を入れて直接触る、相手の身体を押さえつけて触るなどの場合は、強制わいせつ罪となります。

直近の痴漢の認知件数は公表されていませんが、平成26年には、迷惑防止条例違反の痴漢が3439件、強制わいせつ罪が283件でした。


参照URL:法務省 平成27年版 犯罪白書

以前は強制わいせつ罪に該当する痴漢しか罰せられていなかったと考えると、相当の違いがありますね。

 

<2.東京都の迷惑防止条例の改正内容>

そして今年、平成30年3月30日に東京都では迷惑防止条例を改正する条例が公布されました。この内容が7月1日から施行となります。

内容としては、時代の流れとともに従来の迷惑防止条例では対処しきれなくなっていた行為に対応したものと言えます。

 

2-1.盗撮に関する改正

ここ数年、盗撮の被害が増加しています。それは、一般でも簡単に入手できるカメラが高性能化、小型化されたことや、カメラ機能を搭載したスマートフォンが広く普及したことが原因と言われています。

それに加えて、従来の迷惑防止条例では規制の対象となる場所が狭く限定されていました。

従来の迷惑防止条例が盗撮に関する規制の対象としていた場所は、

・公共の場所、公共の乗物
・公衆便所、公衆浴場
・公衆が使用する更衣室、通常衣服を脱ぐ場所

のみでした。

それに加えて今回の改正では、以下の場所も対象となりました。

・住居、便所、浴場、更衣室
・多数の人が、入れ替わり立ち替わり利用する場所、乗物

例えば、自宅や会社、学校といった、公共ではない場所が含まれるようになりました。また、カラオケボックスなどの施設、タクシーなどの乗り物も対象となりました。

学校のトイレに盗撮カメラが仕掛けられたとか、自宅のお風呂を道の反対側から望遠カメラで盗撮されたといったことは、これまでは迷惑防止条例では取り締まれなかったのです。

もちろん、だからといって違法であることは変わりません。これらの場所ので盗撮は軽犯罪法の対象とされています。ですが、軽犯罪法は刑法なので扱いや手続きが煩雑になり、迷惑防止条例で規制されるようになる以前の痴漢と同様、事実上見逃されている部分もありました。

 

2-2.つきまとい行為に関する改正

つきまとい行為に関しても、これまでの迷惑防止条例では取り締まれなかった行為を含むよう拡大されました。

これまでの取り締まり対象となっていたのは以下の行為です。

・つきまとい
・粗野、乱暴な言動
・しつこく電話をしたりFAXを送る
・汚物の送付

そして、今回の改正で加えられた行為は以下の行為です。

・監視していると告げること
・名誉を害する事項を告げること
・性的羞恥心を害する事項を告げること

 

また、従来の「連続電話」は電話やFAXだけが対象でしたが、これからは電子メールSNSでのメッセージなども含まれるようになります。数年前から、SNSのメッセージを大量に送り付ける行為が問題となっていましたが、今回ようやくそれも取り締まれるようになったわけです。

なお、迷惑防止条例で取り締まられるのは「悪意の感情」に基づく行為です。恨みや妬みの感情からの嫌がらせ、つきまといなどが対象となっています。

例えば、嫌がられているのに毎日数十通のメールを送り続けるという行為は、外見的には同じであっても、それが悪意から行われていれば迷惑防止条例恋愛感情や一方的な好意から行われている場合にはストーカー規制法の対象となります。

ちょっと紛らわしいのですが、その人と付き合いたくて電話やメールをし続ける行為はストーカー規制法、ふられて逆恨みから悪意を持って恨みつらみをSNSで送り続けたら迷惑防止条例、となるでしょう。

 

<3.まとめ「それ、迷惑防止条例違反です」>

世の中は常に変化し続けていますので、法令ができたころには想定されていなかった被害が生まれることもあります。そのたびに法令が改正され、今回の迷惑防止条例の改正のように、さらに被害が拡大するのが防がれます。

防犯のためにも、どこからが警察などの力を借りられるのか、どこまでは自分で警戒しなければならないのか、ときには法令も理解する必要がでてきます。これからもMolyでお伝えしたいと思います!!

 

※2018年7月1日に改正されるのは東京都の条例です。今回の内容も主に東京都の事例を元にしています。個々の自治体の条例については一部異なる場合もありますのでご注意ください。

 

執筆者:グエンハー ナムフォング

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